
2015.02.20
/ちょっと不思議な日常系 / コトノバドライブ 芦奈野ひとし
”私は子供のころから、時々そんな風景に包まれる。 それはいつも、ほんの5分。 今日、入り江を見た。 人には、別に、言わない。” あまり他人には理解されないわたしの趣味のひとつに、“散歩”がある。自宅の…
2015.02.20
/”私は子供のころから、時々そんな風景に包まれる。 それはいつも、ほんの5分。 今日、入り江を見た。 人には、別に、言わない。” あまり他人には理解されないわたしの趣味のひとつに、“散歩”がある。自宅の…
2015.02.02
/”あたしは、驚いて肩越しに、その声が聞こえた方を見る。 魔法なんて、あるのかなぁ。夢見がちな乙女だった頃、あなたがこの歩道橋で呟いた言葉。 ねぇ、ユカ。 魔法って、本当にあるみたい。” わたしはお酒が…
2015.01.20
/「勘違いしてませんか。やらなければならないことを、リスクという表現で隠すのが嫌いってだけです」 「よし、買った」 妙の父は静かに言った。ひどくすごみのある、言葉だった。 「喧嘩ですか」 「いや、お前を…
2015.01.14
/圏内ちゃん:15秒前 朔ちゃんは気にしなくていいの。カレーの準備お願いね♪ この世界には情報が溢れている。 現代社会は高度情報化社会だとよく言われる。 情報化社会とは、”情報”が諸資源と同様に価値を持…
2015.01.03
/いつものTシャツとジーパンを着ると、今までとは何か違うものを着たような心地だった。 十九歳のあたしを、 さっきまで女の子と証明してくれていた制服を、足早に蹴散らすと、 制服は軽く、フワフワとあたしを避…
2014.12.31
/「みんな、わらって」 すこしはなれたところから、横峰カオルのささやくような声が聞こえてきた。ちらりとそちらを見ると、目があって、口元に笑みがひろがる。 私の声が聞こえて、その言葉を遠くの部員につたえて…
2014.12.21
/「見たところむしろ低いと感じるのだが」 「178cmの悲しみだねぇ」 「悲しみの質量は?」 「さあ、60~70kg程度かねぇ」 「……、別に背負えなくはない悲しみだな」 「そうなんだねぇ」 時の流れと…
2014.12.17
/そ、そういう事じゃなくて── こんな風に、嬉しさを、 少しだけ先取りしてしまうのも悪くない。 眼鏡なんです! いきなり何を言い出したんだと思ってるかもしれませんが、メガネなんですよ! 大事なことなので…
2014.12.13
/”<意味>や<心地良さ>はいつか人を置き去りにする。<美しさ>は寄り添ってくれはしないが、代わりにずっと同じ場所にいてくれる。 始めは理解できなくても、私がそこに辿り着くまでじっと待っていてくれる。”…