山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

山白朝子『死者のための音楽』

先日、友人からのメールで
「山白朝子は乙一だったらしい。」
という話を聞きました。
去年辺りからご自身のツイッターで明らかにされていたみたいなのですが、全く知りませんでした。
最近全く新刊出さないな…と思っていたので、驚きを隠せませんでした。

スポンサーリンク

暖かいホラー

私は文庫版を購入したのですが、まず、表紙がおどろおどろしいです。
表紙は下田ひかりさんの絵です。
ただ、内容はあまり怖くありません。
どれも心が暖まるようなホラーです。
どの話も怪奇(の方がホラーよりも近い気がします。)が含まれている、というか、かなりの大きな要素を占めているのですが、
前提としてあるのは、人間だと思います。
家族の話が多いです。
全てが明るい話ではありませんが、大体は読後に少し心が暖かくなる気がします。
また、後書きにもありますが、「まんが日本昔ばなし」のようです。
あくまで怖い話は妖怪は要素の一つで、前提としてのテーマは別にあるみたいな感じです。
身の毛がよだつようなホラーが読みたい方にはお勧めできませんが、
ホラーは苦手だけどという方は手にとって見ると良いかと。
また、怪異自体になにか深い理由があったり、解決の方法を探したり、
などの謎解き要素は一切ありません。

スポンサーリンク

乙一さん

言われてみると、乙一さんだなと思います。
多分、もともと乙一さんが好きな方が同著を読んだ場合、感の鋭い方なら、
「なんか乙一さんみたいな感じだった」
と思う気がします。
私は多分気づきません。
ただ、そう思って読んでみると乙一さんの雰囲気が充分に伝わってきます。
上にも書きましたが、暗い雰囲気の中に暖かい気持ちが残るというのがなんとも乙一さんらしいと思いました。

名前の重要性

本とは一切関係ないのですが、名前は大事だなと思いました。
ネームバリューと言いましょうか。
「この人のこの本だったら読もう」
という気持ちは購入に関しては重要だと実感しました。
もちろん、この人のこの本だからという理由で、両手放しで褒めちぎるのは良くないと思いますが、
そういうのがなければ手をだすきっかけすらなくなってしまう可能性があるので難しいところですね。
そんな感じで山白朝子さんの死者のための音楽でした。
次は、乙一さんのもうひとつの名義「中田永一」さんの方も読んで見ようと思います。

スポンサーリンク

デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN