アイアムアヒーローinOSAKA (ビッグコミックススペシャル)

本編を読む前に!『アイアムアヒーロー in OSAKA』

『ウォーキング・デッド』という海外ドラマをご存知でしょうか?
タイトルからも想像できる通りゾンビものの作品で、日本でも最近の海外ドラマのなかでは群を抜いた人気を誇っています。

しかし、この“ゾンビ”というジャンル。
ものすごく熱狂的なファンがいる一方で、未経験の人にとっては取っ付きづらい印象はどうしても拭えません。

そしてこれは、いま巷で話題の漫画『アイアムヒーロー』でも同じことが言えるでしょう。
メディアでも大々的に取り上げられ、今年の春には大泉洋が主演での映画化まで決まっているものの、“ゾンビ”という読む人を選びそうなジャンルな上に、既に結構な巻数になっているため、気軽に手に取るのは躊躇ってしまう気がします。

そんな人にオススメしたいのが、今回取り上げる『アイアムアヒーロー in OSAKA』。
『アイアムヒーロー』のスピンオフの位置づけになっています。
作者は『東京闇虫』が代表作の本田優貴さん。

一巻完結ということもあり、ゾンビ未経験の人でも気軽に楽しめる内容になっています。

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ゾンビ要素を圧縮した一冊

タイトルにもあるように、本作の舞台は大阪。
本編(『アイアムアヒーロー』)の舞台である東京で、ゾンビ(このシリーズでの名称はZQN)が発生し皆が混乱していたとき、大阪では何が起きていたのかを描いた作品です。

サバイバルホラー金字塔にスピンオフ登場!

日本全土にてZQN発生…
同日同時刻、大阪では一体何が起きていた!?

映画公開を間近に控える爆発的大ヒット作『アイアムアヒーロー』の世界に『東京闇虫』本田優貴が新たな物語を刻む!

本編に負けず劣らぬスペクタクル!
手に汗握るアナザーストーリーが圧倒的迫力で見参。
大阪に“ヒーロー”は現れるのか…?

内容はまさに王道といっても過言ではないほどのゾンビもの。

  • ゾンビの発生
  • 混乱する民衆
  • 感染した友人
  • 立ち向かう主人公
  • ヒロイン救出

これさえ抑えておけば問題ないだろう!というほど、ゾンビものの要素を一冊に凝縮した作品になっています。

そして印象的なのは、本編と同様に主人公が良い意味で格好悪いところ。
本編を未読の方でも、映画では主人公を大泉洋さんが演じることで何となく察しがついていると思いますが、『アイアムアヒーロー』の主人公は三枚目的なポジションのキャラクターです。

そして、このスピンオフの主人公も間違いなく三枚目。
クールや知的とはほど遠い、大阪弁の体育会系です。

作品のあらすじ自体は既存のゾンビものと同様ですが、ハリウッドのゾンビ映画のクールさとはほど遠い泥臭さがこの作品(そして本編も)の特徴ではないでしょうか。

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まだゾンビに触れたことのない人に

率直な感想を言うのであれば、王道ど真ん中で一巻完結ということもあり、既にゾンビファンの人たちが読むには物足りないと思います。

しかし、本作はスピンオフということもあり、ターゲットになっているのは本編のファンと、興味はあるけど本編に手を出すか迷っている人のはず……!
そういった意味では、本編『アイアムアヒーロー』を手に取ろうか迷っている人、さらには最近流行っている“ゾンビというジャンル”に興味を持っている人には、お試しも兼ねておすすめしたい一冊です。

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デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN