恋のシャレード (Feelコミックス FC SWING)

行間を読む恋愛、ルネッサンス吉田の『恋のシャレード』

学生時代に誰しもが一度は憧れる理想の教師との恋愛。
若いときに抱く”年上への憧れ”というの一番身近な例だと思います。
結果として、理想の教師なんているわけもなく学生という身分を卒業していく人が大半なのですが…

それはさておき、ルネッサンス吉田さんの新刊は、女子高生と塾講師との切ない恋愛を描いた作品です。

スポンサーリンク

行間を読む漫画

タイトルにも書いたように、この漫画は行間を読む恋愛漫画だと思います。

あらすじに書かれている明らかにヘビーだと予想される内容に対して、話のテンポが非常によく、意気込んで読み始めた割にサラッと読み終えてしまいました。
あまり書き込まれていない背景や人物もこの”軽さ”の要因になっているのかもしれません。

ストーリー自体も、

01.先生とつき合う
02.先生の過去を知る
03.折り合いを付ける
04.親に関係がバレる
05.二人で本音を話し合いハッピーエンド

という、いわゆる”王道系”です。

これだけ書くと、ありがちで薄い”つまらない漫画”のような印象になってしまいますが、決してそんなことはありません。

この作品で特筆すべきは”空気感”です。
言葉で説明出来ないことを、感想として書くのは非常に難しいのですが、この空気感がピッタリと嵌る人には、間違いなく心が震える漫画であることは間違いないです。

主人公の見る夢や、日常の何気ない淡々とした会話、表情や動作だけのコマの数々。
それらの要素を読み手が汲み取ることで、全く違う印象の漫画になると思います。
そういう意味では、少し前の単館シネマが近いのでしょうか。

ただ、必要最低限の要素で絶妙な空気感を描いたこの作品は、とてもリアルで表紙の青空のように奇麗です。
気を抜くと簡単に読み終えてしまいますが、ぜひ腰を据えてじっくりと読むことをおすすめします。

スポンサーリンク

デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN