BLだけど読んでみて!志村貴子の『起きて最初にすることは』

起きて最初にすることは (シトロンコミックス)

皆さんは、起きて最初に何をしますか?
本作の主人公”公崇”の起きてすぐの日課は、義弟の寝顔をみることです。
…そうです。
志村貴子さんの新刊『起きて最初にすることは』はBL漫画です。

2月から”志村貴子まつり2015“が始まり、6ヶ月に渡り毎月新刊が発売されている志村貴子さん。
代表作である「放浪息子」や「青い花」の発売の遅さにやきもきしたファンは”あの志村さんが毎月新刊を出すなんて…!!”と驚いているのではないでしょうか。
そして、このフェアのなかでは一番の異色である本作。
BLに対する抵抗感から本作を手に取ることを迷っている人も多いのではないでしょうか。

もったいないです。
今作は志村貴子さんが好きなら手に取るべき一冊です。

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読みやすいBL

私も、BLというジャンルを読むことは少なく、好きな漫画家さんが書いているときに手にするくらいなのですが、本作はそのなかでも非常に読みやすいBLでした。

引きこもりの兄(ゲイ)とチャラい感じの義弟(ノンケ)による少し歪んだ恋愛です。
公式のあらすじがとても分かりやすいので引用を。

4年前、親同士の再婚で突然出来た2才下の弟・夏央(なつお)。
兄となった公崇(きみたか)は夏央に勉強を教えてあげると「兄ちゃん」と頼ってきてくれるようになり、そんな弟が可愛くて仕方ないしあわせな日々。
しかしある日、公崇は、自室に男を連れ込みHしてるところを夏央に見られてしまった!
嫌われた上にゲイだと学校で言いふらされ…不登校→退学→ニートの道の公崇。
それでも夏央が欲しくてたまらない。

好かれたい触ってほしいセックスがしたい! 
欲情が甘く痺れる、ダメ恋ボーイズラブ。

このように、駄目オーラ漂うストレート気持ちを全面に押し出し作品になっています。
緊迫感や不幸感とは無縁の、ポップでキャッチーなBLです。

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空気感とキャラクター

この作品で特筆すべきなのは兄の変態さと可愛らしさ。

やっていることは明らかに変態的なのになぜか憎めないのが特徴的です。
読み終り冷静に内容を思い返すと、どう考えてもドン引きするような要素が満載だったにも関わらず、読んでいる最中にはまったく気にならず、どんどん作品に引き込まれていきました。

志村さんらしい可愛らしい絵柄と空気感が、そのようなライトな雰囲気をつくっていて、どの志村さんの作品にもある行間を読ませる描き方が、今作も同様に活きています。
直接的な表現もあるのですが、それよりも抽象的な気持ち面での動きの方が記憶に残ります。

また、兄のひたむきさもこの印象に拍車をかけています。
優秀なはずなのに、残念で変態な兄が、弟のことになると必死に、そしてストレートに気持ちをぶつけていく。
その様子は、ドン引きするよりも先に、思わず応援したくなる気持ちにさせられます。

この二つの要素が噛み合って、直接的な描写がありながらも、嫌らしさのない作品になったのではないかと思いました。

BL作品ではありますが、今まで手に取ったことのない人でも読みやすい内容になっています。
志村貴子さんの作品が大好きだけどBLは…と迷っている人はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

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1巻完結の漫画を集めました。

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