ただ百合を消費するだけのあなたに、『ユリイカ / 百合文化の現在』

ユリイカ 2014年12月号 特集=百合文化の現在

奇しくも、水上が書いた直近の文章と扱うジャンルが被ってしまいました。
発売された時期が近いから仕方ないですね。

さて、今回はユリイカで特集されていた『百合文化の現在』についてです。
表紙は志村貴子さんです。これだけですでに最高ですね。
評論が主体の雑誌なので、いつものように感想を書くことが難しいです。
“ためになった”とか”興味深かった”という評論を読んだ後にありがちな感想で終わらせてしまわないように、この雑誌を薦めたい理由についてでも書いていこうと思います。

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懐古厨的な百合豚の人へ

このブログでもそこそこの頻度で百合作品について書いているように、私は(前回のエントリで書かれていましたが水上も)、百合というジャンルが好きです。

かの有名な『少女セクト』から始まり、その後、百合姫コミックスの発売に驚喜し、タカハシマコさん『乙女ケーキ』で涙を流し、そしてなもりさんの『ゆるゆり』で百合人口が増えたことに複雑な気持ちになるという、典型的な懐古主義寄りの百合豚です。

自分と同じような道筋を辿った人にとっては、本誌を読んでもあまり大きな驚きや発見は少ないと思います。
ユリイカの特集ならではの、”物足りなりなさ”が健在で、取り上げられる引用や作品も、百合という文化に興味があり少し調べたことのある人であれば簡単にたどり着くものがほとんどです。
まだ、百合というジャンルが今ほどメジャーではなかったころに、このジャンルが好きだったというある意味で取り返しのつかない残念な人は、本誌で取り上げられている漫画・小説・映画・アニメは既に手に取っていることでしょう。
もちろん、新しい考え方や捉え方などは多々ありますし、今野緒雪さんや天野しゅにんたさん、月子さんい西UKOさんといった、好きな作家さんのインタビューやエッセイが読めるということで買う価値は十二分にあります。
しかし、あくまで百合文化に対する知見という意味では、残念ながら驚きが少ないと思います…
そこだけ念頭に置いておけば、きっと楽しめます。

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百合を消費するだけのあなたに

しかし、『ゆるゆり』以降に百合というジャンルにはまり、その後本誌をぜひ読んでいただきたいです。
「百合についての勉強が足りない」とか「ルーツを知らないのは失礼だ」とか、そういう懐古厨ならではのことを言いたいわけでは決してありません。
しかし、”百合”という冠言葉がついた作品以外にも、百合について触れている・扱っている作品は沢山あるにも関わらず、そのような作品を知る・触れる機会が減っているのも事実です。
これは、百合というジャンルが一般化され、わざわざ深くまで探さなくても”百合”という単語ひとつで沢山の作品が見つけること・楽しむことができるようになったからだと思います。

わざわざ百合という単語を使わなくても、百合好きの人が喜びそうな作品は沢山あるのに…勿体ない気がしませんか?
特に、百合文化の先駆けとも言われる”S(エス)”と呼ばれる関係性を仄めかすような作品に関しても、百合好きの人なら間違いなく気に入ると思うのですが、百合好き人たちのアンテナに充分に引っかっていない気がします。

本誌では過去の名作やルーツになる作品はもちろん、百合文化に対する考察が多数載っています。
これを読むことは、今まで知らなかった百合の雰囲気のする作品を知ると共に、百合と銘打っていない作品から百合の雰囲気を感じ取るきっかけになるのではないでしょうか。
ぜひ手に取って、百合と銘打っていない作品内の些細なことにも萌えてしまうような、より残念なタイプの百合豚になりましょう。

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1巻完結の漫画を集めました。

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