のみじょし 1 (バンブーコミックス)

ただ呑むだけの幸せ、迂闊の『のみじょし』

皆さん!!ビールが美味しい季節になってきましたね!!
お酒をほとんど飲めない私ですら、最近のような暑い日が続くと思わず「飲みたいな…」という気分になります。

こんな風にお酒自体を飲みたくなるのは暑い時期だけなのですが、飲み会自体は好きなので、誘われると喜んで参加してしまいます。飲めもしないのに。

これは飲み会が好きだからというより、飲み会独特の空気が好きだからなのだと思います。
アルコールによって日頃のしがらみから解放された、いつもとは違う雰囲気というのは他では味わえませんよね。誰か誘ってください。

さて、今回ご紹介するのは迂闊さんの『のみじょし』。
ビールを彷彿とさせる黄色い丸文字がポップな表紙の本作は、お酒好きは思わず感情移入してしまうような飲み会のならではの空気に満ち満ちた作品です。

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シンプルでストレート

公式によるあらすじ以上でも以下でもない内容です。

読めばモーレツ飲みたくなります♪
高瀬道子(たかせみちこ)、29歳独身。
美味しいお酒の前でははしゃいでしまう、ちょっぴり残念なアラサー女子。
基本はビールや日本酒、時には渋めにウイスキー…同じ年のゆきやソノさんとついつい飲みすぎちゃって…。
「月刊まんがくらぶ」で大人気連載中の酒好きアラサー女子の呑ん兵衛コメディ4コマ!

基本的に会社帰りに集まった三人のアラサー女子がお酒を飲むだけ。

特徴らしい特徴と言えば、お酒を扱った漫画には珍しくお酒や肴についての蘊蓄は殆ど登場しないことでしょうか。
最近の食関連の漫画は、流行のお店や簡単なおつまみなどを各話で紹介するものが多いため、このシンプルさには少し驚きました。

私はあの手の小ネタを読むのが好きなので少し残念でしたが、流行のものを取り入れたり、やりすぎた知識のひけらかしがなく、媚びや嫌みは一切感じないため、飲み会っていいな…という単純でストレートな感想以外でてきません。

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日常から切り取った日常系

一方で、日常系ならではと言ってしまえばそれまでなのですが、内容がないという印象も拭いきれません。
日常系といえば、デフォルメされた女子高生が登場人物の作品が多いという先入観があるため、登場人物が大人にも関わらず、行動に意味がないというギャップに違和感を覚える人も多いのではないかと思います。

しかし、所々に描写される「登場人物の飲み会以外の風景」が、本作を大人の日常系たらしめているのではないかと思います。

OLであったり本屋の店員であったり、奥さんであったり…
登場人物の日常生活はバラバラです。

そして、要所要所で描かれている登場人物たち本来の日常生活のバラバラ感と、その三人が集まって始まる変わらない飲み会の風景が、本作のメインである飲み会を日常系という印象にしているのではないかと思います。
登場人物だけの完結した世界での日常系漫画ではなく、日々の生活から飲み会の部分だけ切り取ったからこそ起こりえる日常系。

昔からの友人と久しぶりに会いたく(呑みたく)なるような漫画でした。オススメです。

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デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN