高校生・太郎が一緒に暮らすことになったのは、父親の愛人である智奈子だった。
とまどいながらもワケあり同居生活が始まって…! ?
“彼女のひとりぐらし”で話題を博した玉置勉強さんが描く今作は”ふたりぐらし”
“東京赤ずきん”のインパクトが強すぎて、エログロ系の作家さんだと思っていましたが、今ではこちらのような日常系漫画のイメージの方が強いのでしょうか。
スポンサーリンク
同居生活あるある
“ひきこもり高校生(太郎)”と”父親の愛人(智奈子)”という異色のコンビがおりなす淡々とした同居生活。
あらすじに”ワケあり同居生活が始まって…! ? “とありますが、同居生活が既に始まっている段階からのスタートです。
“親父の愛人と暮らす俺”というタイトルだけだと随分といやらしい雰囲気を醸し出していますが(玉置勉強さんですし)、そのような描写はほぼないです。
“共同生活あるある”ネタとしてのサービス的な描写はありますが、それによって何かが起こるということも一切なく、淡々と日常が進んでいきます。
あくまであるあるネタなので、特筆すべき大きな出来事があるわけではありません。しかし、さすがは玉置勉強さん。この何でもないネタの描写が非常にお上手で、”小さなことを大きく見せる”というと言い方が悪いですが、各話ごとにしっかりと話が作り込まれていて非常に読み応えがあります。
スポンサーリンク
マンション内で完結する物語
この漫画の特筆すべきところは、登場人物が二人のみ、場所はマンションの一室のみという点。
もちろん、回想部分では父親が登場したり、導入部分として外出シーンが入りますが、
基本的には、室内で二人きり。
この狭い空間と狭い人間関係で物語が完結しているのはとても面白いです。
家のなかだけでもこんなに面白いシチュエーションがたくさんあるものなのだなと感心します。
共同生活の綻び
しかし、一見問題のなさそうな共同生活のなかでも、ときどき不穏な空気が漂います。
- 一緒に生活していても智奈子の素性を何も知らないこと
- 太郎が不登校になった理由
- 父親の愛人と暮らすことになった理由
このように、淡々とした同居生活の綻びのようなものがときたま見え隠れします。
この辺りの詳しい理由や原因も次巻以降で徐々に明らかになっていくのでしょう。
“彼女のひとりぐらし”と同様に、あくまで日常ネタで攻めるのかと思いつつ、今回は若干シリアルな要素も入ってくるみたいですね。
二人の奇妙な共同生活が今後どのようになっていくのか、次巻も楽しみです。
それにしても、働かずに生活ができる環境…とても憧れますね。