うえむらちか / 灯籠

灯籠 (ハヤカワ文庫JA)

両親を交通事故でなくし、広島で孤独に育った少女・灯。
ある年の盆のころ、灯は自分の背丈よりも大きな盆灯籠を片手に、両親の墓へと向かっていた。
その途中、彼女はこれまでに感じたことのない不思議な雰囲気をまとった青年・正造と出会う。
いつしかその人柄に惹かれるようになっていく灯。
それから毎年、盆の時期だけ、ふたりは逢瀬を重ねていくが……
少女と青年のひと夏の邂逅、その意外な行方を幻想味豊かに描く佳品
大林宣彦氏(映画作家)推薦!

小説家の他に、女優・タレントとマルチに活動をされている”うえむらちか”さん。
まだ年齢もお若く、いったいどんな小説を書くのだろうかとワクワクしながら購入。

ちなみに、表紙のイラストは文庫本では度々見かけることのある”片山若子”さんです。

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丁寧な描写と素晴らしい発想

この小説は、第一話と第二話からなっています。

第一話の概要は上に書いてある公式のもので合っていると思います。
一言でまとめてしまうと”幽霊と少女の恋愛話”
ありがちといえばありがちな内容です。

そして、第二話。
第一話の数年後の話になっているのですが、とても素敵です。
謎解きではなく、純粋な読み物でこんなに衝撃的な終わり方をする小説を読んだのは久しぶり。

また、内容もさることながら、その描写力。
全体を通して、文章をとても丁寧に書かれており、穏やかで暖かい印象を受けます。
特に第二話の最後のシーンは、映像化したらとても奇麗なのではないかと思います。
小説二作目にして、この文章というのは純粋に”凄い”と感じました。マルチな方っているんですね。

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希薄な根拠

“小説というフィクションに何を求めているのだ!!”という気もしますが、第二話における物語の背景が全く読み取れなかったというのが非常に残念でした。

発想や描写が素晴らしかったので、興奮冷めやらぬまま本を閉じたのですが、
後々冷静になって思い返すと、”第二話はなぜあのような終わり方だったのか…”という疑問が沸々と湧いてきます。

終わり方が本当に良かった分、ひとたび、このような疑問を持ってしまうと、
“この終わり方を見せたいためだけに、途中部分の帳尻を何とか合わせようとしたのではないか…”
という穿った見方をしてしまいます。よくないですね。

なぜこのような終わり方になったのか、伏線や背景が欲しかったです。

こんなに失礼なことを書いておいて、単純に自分の読み落としだった場合、本当に申し訳ない(そして恥ずかしい)ので、
二話の終わりに向けての伏線や背景の描写がちゃんとあったと思う方は、その場面を教えてくださると嬉しいです。急いで読み直します。

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