となりのロボット

真摯な百合SF、西UKOの『となりのロボット』

このブログでも過去二回ほど、取りあげたことのある西UKOさん。
どちらのエントリもコンスタントに結構な数の人が見に来てくださっていて、西UKOさんの人気を感じます。

さて、そんな西UKOさんの新作はなんとSF。
いままで、”大人の百合”をテーマにした作品が殆どだったため、少しだけ面食らいましが、作者のファンにもそうでない人にも自信を持ってオススメできる一冊でした。

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SFと百合

わたしは ロボットです
今はだいたい 人と同じことができます

作品の出だしにあるこの一言から既に分かるように、この物語の主人公はロボットです。
ロボットである”ヒロちゃん”と、普通の女の子の”チカちゃん”との恋愛漫画です。
“ロボットとの恋愛”と言ってしまうと、なんともベタで王道な気がしますが、まさにその通り。
大まかな粗筋だけを辿れば、本当にベタな話なんです。
ロボットに恋をして、ロボットでならでは困難にぶつかり、最後はハッピーエンド。

その分だけ、古き良き昔のロボット作品を思い出すハートフルな作品であることは間違いないですが、使い古されたテーマであることもまた事実です。

しかし、この漫画はそんな使い古されたテーマを丁寧に真摯に描いています。

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間違いなくSFです。

この作品の素晴らしいところは、百合漫画でありながらもしっかりとしたSFであるということ。
個人的には、百合漫画というよりもSF漫画という印象の方が強いくらいです。
百合だと思って購入して、まさかSFが読めるとは……
具体的にどの部分がSFだったというのを伝える必要がないくらい、すべてにおいてSFしています。

恋愛漫画なので、話の主体はあくまで”ロボットと女の子”になるのですが、作中でサブキャラクターとして登場する研究所の人たちに割かれる割合の多いこと多いこと。
ヒロちゃんの性能や機能、そしてロボットに対する考え方や立ち位置など、何から何まで余すことなく説明されています。
純粋な百合漫画を期待してかった人のなかには蛇足だと感じた説明も多いかと思います。

しかし、この詳しい設定が、物語への説得力と読んだあとの満足感を担っているのは間違いないです。
ロボットの成長・ロボットの限界・そしてロボットなりの好きという気持ち……
これらの要素がすんなりと胸に落ちてくるのは、詳しい説明があったからこそ。

ロボットが登場する漫画にときたま存在する
“登場人物の片方をロボットにしてみた。理由はよく分からないけど心を獲得してハッピーエンド。”
とは一線を画す作り込みです。

西UKOさんの百合に対する気持ちと同じくらいSFに対する熱い気持ちを感じられる作品でした。百合好きにもSF好きにもオススメです。

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