荒川弘 『銀の匙 Silver Spoon』

2012年マンガ大賞に選ばれた漫画ですね。
あの手の賞はとても恣意的なものを感じるのであまり好きではないのですが、
そんな否定的なことを言う前にとりあえず読んでみようと、友人から借りました。

この漫画自体も存在は知っていたのですが、
荒川弘さんといえば「鋼の錬金術師」のイメージが強すぎて敬遠していました。
ありていに言ってしまえば、あれ以上にときめくような漫画を同じ作者から読めるはずがないと思っていました。

…敬遠していたのを勿体無く思うほど良い漫画でした。

単純に、この手の”マイナーな分野のものを噛み砕いて紹介する漫画”
という漫画が好きだというのも多分にあるかと思いますが…
もちろんストーリー自体も面白いです。
酪農を通して主人公が成長していく話なのですが、
四巻までを読んだ時点で目立つのは、畜産動物を殺すことでした。
いつも何気なく食べている肉も生きているのだなという当たり前のことを思い出させてくれます。

また、諸々のギャグっぽいシーンは前作と同様に面白いです。

そういえば、最近は今まであまり知名度のなかったものを取り上げる漫画が多い気がします。
「ちはやふる」とか「あまんちゅ」などしかすぐに出てきませんでしたが…
この手の漫画を読むと扱われているものを実際にやってみたくなる自分のミーハーさが憎いです。
ただ、今まで全く興味がなかったものの概要だけでも漫画を通して楽しく知れるというのはとても良いことだと思います。