小川麻衣子『魚の見る夢』

内容紹介

姉妹百合漫画です。
幼少期に母親を亡くし、現在は二人で暮らしている高校生の姉妹。
父親を生きているのですが、一緒に暮らしてはいません。

その父親を過去の出来事から嫌悪し、早く一人で生きていきたい姉と、
姉に対する愛情だけではないと思われる執着や嫉妬を抱いている妹。
主題に関して言えば、非常に暗めな内容です。

そして今巻では、その辺りの背景や各々の感情は明確になっていません。
その辺りは徐々に明らかになっていくのではないかと思います。

でも暗くないです。

先ほど「暗めの内容」と書いたばかりですが、
それはあくまで主題に対してで、
全体を通して読むと、そこまで暗い内容ではありません。
姉・妹の周辺のサブキャラクターが暗い雰囲気を払拭してくれています。
基本的にはゆるいキャラか少しおバカなキャラです。
それらのキャラが姉や妹に絡んでいるシーンは、コミカルであったり、ほんわかであったりでとても明るい印象です。
個人的には妹の同級生が本当に可愛いです。後書きページが特に。

サブキャラについても今巻で結構掘り下げられているので、今後どのように絡んでくるのか気になるところです。
姉妹による主題とサブキャラ絡みの副題の印象が全く違って非常に面白いです。
最終的には姉妹関連の割合が大きくなり、全体としてシリアスな展開になっていくのでしょうが、
そこにいくまでの過程で、現在は明るいサブキャラ達がどのように絡んでいくのか、
次巻が楽しみです。