復讐の未亡人 (アクションコミックス)

軽い気持ちで読んでいい!『復讐の未亡人』

昔から一定層に根強い人気のある復讐をテーマにした漫画。
最近では渡邉ダイスケさんの『善悪の屑』などが話題でしょうか。

復讐の対象や内容は作品によって様々とはいえ、表現がエグかったり、読後感が悪かったり……
“人を呪わば穴二つ”という言葉があるように、この手の作品ではハッピーエンドを期待することは難しいでしょう。

そんな理由で復讐をテーマにした作品を敬遠している人に朗報です。
この、黒澤Rさんの『復讐の未亡人』は読後感が悪くない漫画……だと思います。

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爽快な復讐劇

この作品を一言で表すなら爽快な復讐劇です。


復讐は気持ちが良い――
とあるIT企業に勤務する、有能な派遣エンジニア・鈴木密。
彼女がその会社に潜り込んだのには、隠された理由があった。
夫を追い詰め、自殺に追いやった者たちひとりひとりへ、借りを返すため――気鋭の作家・黒澤R、渾身のSweet revenge story!

主人公の鈴木密が、旦那が自殺した原因を作ったブラックなIT企業に潜入し、義理の弟・陽史と一緒に旦那を追いつめた原因となった人たち復讐していく……という分かりやすい分かりやすい復讐劇です。

復讐劇というと残酷でグロテスクな描写を思い浮かべる人が多いと思います。
また、最終的には主人公も不幸になったりで読後感が良くない作品も多いですよね……

しかし、本作ではこのようなジャンルの作品を読んだあとに抱く暗い気持ちはほとんどありませんでした。
あらすじを読んだ段階で、それなりに心の準備をして読み始めたのですが、本作を読み終えたときには、良い意味で肩すかしをくらう形に……

読後にはなぜかスッキリとした爽快感があったのです。

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主人公・鈴木密の謎

復讐対象は総じて性格が悪いですし、復讐が甘いということもないはず……

しかし、読み終えた後には重い気持ちにはならない不思議……

この爽快感は、主人公・鈴木密のサッパリとした性格にあるのだと思います。
本来なら重々しくなるはずの復讐をとても軽い雰囲気でこなしていきます。

復讐劇に期待するようなパンチがないと言ってしまえばそれまでですが、特有のドロドロとした雰囲気はあまりないのはとても新鮮です。

一巻じゃ足りない

作品自体は文句なく面白いですし、重いテーマな割に軽い気持ちで読めるためにオススメなのですが、どうしても残念なことがひとつだけ……

一巻では足りない

話の流れだけなら十分に理解できるのですが、主人公の人となりや、夫との愛情に満ちた暮らし等、復讐を決意するだけの背景が少し薄く感じてしまったのが残念でした。。。

自分の読解力が足りないといえばそれまでなのですが……

特に、復讐をしながらもどこか楽しんでいるという主人公・鈴木密の謎めいた一面についてはもう少し掘り下げていただけるともっと楽しめたのではないかというのが正直な感想です。

しかし、謎めいた主人公に共感し辛いことが、本作の印象を重くしすぎていないことも否定できません。

流れもテンポがよく、内容的にも感情的にも手が止まることなく、スラスラと読み進められること間違いなしです。

巷でブームの復讐劇や勧善懲悪ものがヘビーすぎて読み辛いという人はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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