入間人間『彼女を好きになる12の方法』

彼女を好きになる12の方法 (メディアワークス文庫)

入間人間さんの新刊です。
積んでおいたら発売から一ヶ月経っていました…

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男二人の視点から

主人公視点と、『彼女』に一目惚れした痛々しい同級生の視点が交互に描かれています。
つまり、「彼女と過ごす主人公視点」と、「彼女を追いかけるもう一人の視点」です。
一ヶ月毎の章立てになっていて、その中に二人の主人公各々の節がある形をとっています。
一章がとても短い上に視点が全く違うので話にメリハリがあってとても読みやすいです。

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2つの気持ちが交互にやってくる。

この小説の面白いところは相反する気持ちが交互にやってくることだと思います。

まず、主人公視点は「壁ドンしたくなる」話です。
壁ドンをご存じない方がいらっしゃるとアレなので、もう少し詳しく言うと、
「羨ま死ぬ」
という表現がしっくりくると思います。
簡潔に言うと「リア充」視点で、
大学生の恋愛にありそうなイベントや会話が盛りだくさんです。
彼女と客観的には十分付き合っているような状態で、かつ彼女の方も主人公のことが好きなのは明らかなのに、
なかなか煮え切らない感じなのが読んでいてもどかしい気持ちになります。

そして、もう一つの視点は、「苦笑い」しか出て来ない話です。
こちらは完全な「非リア」視点で、
彼女が好きすぎて空回りしてしまう部分や、
勇気を出して声をかけてみたものの上手くできず気持ち悪がられてしまう様子、
また思わずストーカーまがいなことをしていまう姿や現実逃避をしてしまう姿など、
思わず「oh…」となってしまいます。
最後には折り合えたと思っても、結局折り合えない女々しさとかもう…

自分が基本的にどちら側に属するかで、共感するキャラクターが変わってきそうなのが面白いです。

オチが無い

最後まで読んで一番驚いたのはオチがなかったこと。
入間人間さんの小説は大体読んでいるのですが、
どの作品も最後に物語の根底が変わってしまうような驚きのオチがあった気がします。
しかし、今作にはそれがありません。
最初の設定・途中の展開のまま最後まで進みます。
読み進めながらどこかでどんでん返しを期待していた分、若干拍子抜けしてしまいました。
しかし、あくまで今までの入間さんを想定していたからで、始めからフラットな気持ちで読むのなら問題ないのではないかと思います。
そんな感じで、今までの入間人間さんとは違った一面を見ることができる小説でした。

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1巻完結の漫画を集めました。

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