いつかティファニーで朝食を  5 (BUNCH COMICS)

マキヒロチ / いつかティファニーで朝食を 5巻

将来の不安や家族との諍いがあっても、朝は必ずやってくる…。
台湾編も加えて、更に深まる朝食女子たちの世界! 大人女子マンガランキングNo.1作品待望の5巻目。

言わずと知れたマキヒロチさんの新刊。
amazonのレビューや漫画の感想ブログなどでは評価が真っ二つに分かれるこの漫画ですが、私も勇気をもって思ったことを書いてみようと思います。

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ざっくりとした各話のあらすじ

話によって主人公やテーマが変わるので、各話ごことに区切ってざっくりとあらすじを書いていこうと思います。

女の大先輩

突然に訪れてきた、おばあちゃんという人生の大先輩を通して、
勤勉さや、生き方を学ぶと同時に、小さくなってしまったおばあちゃんをみて”後何回会えるのだろうか…”という現実を実感する話。
個人的にはこの話が一番胸にきました。
歳を重ねるごとに、祖父母(年配者)の話に弱くなっていきますね。

夢の行方…

東京から群馬に戻ったものの、田舎に馴染んできた自分に焦り始める主人公(のりちゃん)、
現状を打破するために、憧れていた海外留学に行きたい旨を家族に話すも、東京からの出戻りということもあり、ただの逃げではないかと反対されてしまう。
周りの退屈さや、会話のバリエーションの少なさに辟易し、地元を小馬鹿にしていたのりちゃんが、母親の働き始めたときの話や、同僚の将来の夢を聞くことで、”田舎でも、みんな様々な夢をもって日々を過ごしている”ということに気付きます。

家族

タイトルのどおり”家族”についての話。
恋人の実家で”絵に描いたような素敵な家族”をみたリサが、幼少期に両親の離婚により付き合いが遠のいた自分のダメな父親と比較してしまい、久しぶりに父親と会ってもつい冷たい態度をとってしまう。
しかし、後になって、父親なりの優しさや、自分が片意地を張っていただけだということに気付き、やっぱり家族として好きなんだなということを再確認する。
というハートフルな内容。

美味しい台湾旅行

女性三人で台湾旅行にいく話。
付き合いの長い友人たちの新しい一面を発見したり、美味しいものを食べたりしますが、
基本的には、新しいイケメンとの新しい出会いがメインで描かれています。

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素敵な生活から素敵な恋愛へ

巻数を追うごとに気になってはいましたが、この方向転換がどうしてもひっかかります。

1巻を読んだ段階では、
“彼氏と分かれて、自分のやりたいことをできるようになった”
という、仕事と自由を満喫する格好良い女性が描かれているという印象でしが、話が進むにしたがって、徐々に恋愛方面にシフトしていってる気持ちが拭えません。

作中では、それなりに長い年月が経っているので当たり前の動きといってしまえばそれまでなのですが、結局は恋愛なのかという、少し残念な気持ちになります。

オシャレ女性層

この巻でも、オシャレ女性層をターゲットをバッチリ絞ってきていますね。

  • 広尾の”AND THE FRIET(アンド・ザ・フリット)”がと思われるお店が登場したり(名前だけですが)
  • 台湾に旅行したり(当たり前ですがお店の紹介もしてくれる)
  • “ビフォア・サンライズみたい!”というたとえが登場したり、

この辺りの、お洒落女子が持っているであろう・持っているとお洒落であろう情報を収集して、細かく盛り込んでくるあたりはさすが!!
オシャレ女性層の心を掴んで離しません。

個人的には、
“この急な来客に対応できる予定のなさ…尋常じゃない!!”
という台詞が、予定のない週末をすごく女性たちに対する盛大な煽りに見えてとても面白いと同時に、自分の週末の予定のなさに切なくなりました。

最後に

上の文章を読み返すと”なんとなく残念だった”という雰囲気が伝わってきてしまう気がしないでもないので恐縮なのですが、決してそんなことはないんですよ!!

働くアラサー女性たちの憧れや悩みが詰まった素敵な漫画であることは間違いないです。
料理の描写も、とても丁寧に描かれていて美味しそうに見え、一度食べに行ってみようかなという気持ちになること請け合いです。

また、上で書いたような悩みを扱った話が多いにもかかわらず、マキヒロチさんの絵のタッチと話の運び方で、非常に読みやすい作品になっています。
深刻な気分になる必要もなく、読後には少し暖かい気持ちになれる。
仕事で疲れて帰ってきたときに、肩の力を抜いて読んでみてはいかがでしょうか。

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デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN