Hacking your life

イングレストとコミック

”The world around you is not what it seems.”

 
  先日街を歩いていたとき、大学生くらいの女の子二人組みに声を掛けられた。
「……あの、もしかしてエージェントの方ですか?」
「ええ、そうです。やっぱり動きで分かりますよね。ところで、どちらの陣営ですか?」
「あっ、青側でやってます」
「…………貴様は敵だ!!」

  いったい何を言い出したのか思っているかもしれないが、これはIngressというゲームについての話である。
 

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Ingressとは

  かのgoogleが提供しているスマートフォン向けオンラインゲームである。

  プレイヤーはGPSを使い表示された実際の地図上を歩き回り、各地に点在するチェックポイント(ポータルと呼ばれる)を巡っていく。
  ポータルは、例えば「面白い看板」であったり「神社仏閣」であったり、あるいは「壁に書かれた壁画」であったりする。あえて定義するならば、何か文化的な建造物だろうか。
  各プレイヤーは青陣営と緑陣営に分かれ、それらポータルを奪い合いながら、ポータルを繋げた陣地を広げることを競う。
  というのがIngressの基本ルールである。
 
  やっていることは、はっきり言ってしまって地味だ。(戦略性はあるものの)プレイヤーの行動としては、ただ実際に街を歩き回るだけ。
  だがまさしくそれこそがこのゲームの面白さでもある。
 

  このゲームを始めて最も驚いたのが、ポータルの多さである。
  もちろんそれなりの都会に住んでいるということもあるだろうが、それでも余りあるほどに、わたしたちの周りには様々なポータルが点在している。
 
 

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ARIAに学ぶ、素敵の見つけ方

ARIA (1) (BLADE COMICS)

  わたしはIngressを始めたとき、真っ先にARIAを思い出した。

  ARIAは、近未来、テラフォーミングによって水の惑星となった火星で、ゴンドラ漕ぎとして一人前になることを目指す少女達の日常を描いた漫画である。

  ARIAの魅力はその日常感にある。地球のヴェネチアを模した都市、ネオ・ヴェネチアの日常を舞台にした本作品は、近未来を描いたSF作品でありながら、その日常は現実世界と変わらない。

  主人公である水無灯里は作中で『幸せの達人』とも呼ばれている。彼女はネオ・ヴェネチアの日常を過ごしながら、誰も知らなかったような素敵を日々発見していく。

  それは緩やかな季節の移り変わりだったり、慣れきってしまった風習であったり。新鮮な気持ちで改めて日常を見つめなおす視点を、彼女は失わない。
  わたしたちの周りには、小さな素敵が溢れているということを思い出させてくれる。
 
 
  ARIAの中で最も記憶に残っている話がある。

  それは、灯里がある日見つけた暗号を解きながら街を巡り、宝探しをするというストーリーなのだが、そのゴール地点となる場所は街を一望できる高台の階段であった。

  そしてそこに書かれているのが、冒頭の英文である。
  つまり探していた宝とは、これまでの宝探しの過程。それまで見つけてきた数々の素敵のことなのだ。
 
 
  そんな風に、普段なにげなく過ごしているだけでは見逃してしまうものが、わたしたちの日常にはたくさんある。

  わたしはIngressを起動するまで、自宅のすぐ傍にある公園の名前すら知らなかった。奥まった路地の先に小さな社があることを知らなかった。街角にひっそりと佇む記念碑の意味を知らなかった。

  そんなささやかな素敵たちを集めることこそが、Ingressの楽しみ方なのだろう。
  そうして、今まで見逃していた日常を再発見していく作業がこのゲームの最大の魅力である。

  もし貴方がスマートフォンを使用しているのであれば、どうか一度、このゲームを実際にプレイしてみて欲しい。
  ある程度の都会に住むひとであれば、自宅の近所にこれほどまでに多くのポータルが存在するのかと驚くはずだ。

出不精のためのIngress

ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)

こんにちはタケミツアンです。ここからは私が書いていこうと思います。

さて、私も水上に唆されてIngressを始めてみました。
引きこもりがちな私も少しアクティブになった気がします。
しかし、Ingressのためだけに外出して歩き回るというのは少し面倒だというのも正直なところ。
私の職場の近くに膨大なポータルがあったおかげで、現在はレベル6半にまでなりましたが、そうでなければ行き帰りの道中と休日の外出程度でしか楽しむことはなかったでしょう。

「ポータルを求めて普段とは違う道を通った。新しい発見があった。新しい景色があった。全ての出会いに感謝。」
なんて、サブカル女子や意識高い男子みたいなことは言いません。
そういう人はIngressがないと外にも出ない人です。Ingressに踊らされている人たちです。
ネトゲと同じ、サービスが終了したときには阿鼻叫喚でしょう。

そうはならないために、私たちは目的のために出かけましょう。
たとえば、聖地巡礼なんていかがでしょうか。

聖地巡礼と言われると、アニメの元ななった場所を巡るのが一般的なイメージですが、
聖地が存在する漫画も数多くあります。
試しに、あなたの大好きな漫画について調べてみてください。
コアなファンがその作品のモデルとなった場所を公開してくれているかもしれません。
体感的には、現代を舞台にした作品であれば、三作品に一つは聖地がヒットします。

しかし、聖地は周りに何もない住宅街や田舎であることも多いです。
作品で使われていた数カ所を訪れるためだけに長い時間をかけて遠出をしても、実際に聖地を見学する時間はごく僅か。
よほど好きな作品でない限り、重い腰があがらないのも当たり前です。

しかし、作品の一ファンとしては、その舞台となった場所に訪れたいというのは当然の心理。
さぁ、Ingressの出番です。
作品で使われていた場面以外に特に見るものがない町であっても、ポータルはあります。
聖地を楽しんだ後で、ついでに近場のポータルを探してみましょう。
聖地にありがちな落ち着いた雰囲気の場所であれば、そこまで攻防が活発でないことも多いでしょう。ポータルの継続日数を増やしたい人、チャンスですよ。

また、『いつかティファニーで朝食を』や『わかこ酒』を始めとして、最近ブームになりつつある”グルメ漫画”で取り上げられているお店を訪れてみるのもオススメです。

グルメ漫画では素敵なお店がとても魅力的に紹介されているものの、
そのお店に行くためだけにわざわざ遠出をするというのはなかなか面倒です。
お店があるのは分かっていますが、その他に何があるのかは全く分からない…
行けば行ったで楽しいのは分かっているけど、具体的な目的地がないと少し怖い…
万が一、お店の他には何もないような辺鄙な場所であっても、ポータルはあるはずです。少なくとも駅には。

聖地・お店に訪れるついでに、Ingressを楽しむ。

出かける機会が多い人にはもちろん、散々迷った末に出かけないような出不精な人にこそ楽しんでいただきたいです。
Ingressとは、出かけるための背中を押してくれる、そんな素敵なアプリだと思います。

おまけ

冒頭の画像に使われているポータルっぽいフォントを作りました。
こちらからダウンロードができます。
aiファイルになっているため使いづらいかと思いますが、もしよろしければお楽しみください。

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1巻完結の漫画を集めました。

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About Author

人が物語を読むのは、人生が一度しかないことへの反逆だ。 そんな言葉を言い訳にして、積み本が増えていく毎日。 Twitter:pooohlzwg