越谷オサム / 陽だまりの彼女

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。
かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!
誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。

※映画化が決定し、検索からこのエントリにいらしてくれる方も増えたため、一部加筆・編集をしています。

表紙が西島大介さんだったので何も考えずに喜び勇んで購入してみたものの、後から恋愛小説だということに気付き、この時期に読むと余計心が寒くなるんじゃないかという不安を感じながらも読み始めました。

さて、”若い女性に大人気”という煽り文句のもと重版を重ね映画にまでなった今作、
購入前の後押しとして”感動した・素敵・最高”などという評価を期待にして、ここに来られた方には大変申し訳ないのですが、あまりポジティブなことは書いていません。

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超展開

超展開でした。私の理解を超えました。まさにビヨンド・ディスクリプション。

“中学時代に仲が良かった二人が再会して恋愛関係になっていく”というベタな流れからスタートする今作。
途中から”彼女の体調不良や過去の記憶がないことなどが明らかになっていき”という、一昔前に流行った御涙頂戴系の感動モノの雰囲気を醸し出していきます。

ここまで良いです。儚い難病系ヒロインは売れますし、一番分かりやすく感動しやすいジャンルであることは間違いありません。
自分もブームの全盛期の頃はさすがに食傷気味ですし、今でこそ穿った見方をしてしまいますが、ブームの先駆けとなった作品は涙なしでは読めませんでした。

しかし、ここからが大問題。物語はまさかの結末へ。

この結末を書いてしまうと、読む意味をなくしてしまうほど盛大なネタバレになってしまうので書くことはできないのですが。あまりにもな超展開であることだけは断言しておきます。

有名な同人ゲーム”ひぐらしの鳴く頃に”と同じような裏切られかたです。
誰も思いつかないような突拍子もない終わり方をしておけば、”誰も想像できなかった衝撃のラスト”という単語で周りが持ち上げてくれるのではないか…失礼ながら、そんな傲慢さすら感じました。

最後への伏線もあるにはあるのですが、
・恋愛小説だと思い、注意深く読んでいなかったこと
・オチで使われるものに対して知識を持ち合わせていないこと
を差し引いても、気付く人は非常に少ないんじゃないかと思いました。

恋愛部分の描写やヒロインが徐々に弱っていく様子の描写は、とても丁寧でのめり込んで読んでしまいます。お世辞でもなんでもなく本当に素晴らしかったです。

だからこそのラストに対するガッカリ感たるや…!!
途中までの”お涙頂戴系の感動小説”の流れのまま終わっていたなら、あまり本を読まない友人に胸を張って貸し出せる一冊になっていたのに…

あらすじに、
“誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。”
とありますが、なんならそこにSFや超常現象もつまったと書いておいていただきたい。

越谷オサムさんの作品を読むのは今作が初めてなのですが、他の小説も同様に超展開なのでしょうか。
日常描写がとても奇麗だったので気にはなるのですが、同じような結末だったら絶対に読めない…!!
他の作品でおすすめがありましたら、ぜひ教えてください。

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