平成生まれ2 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ハトポポコ / 平成生まれ2

とあるクラスの女子高生たちが繰り広げる、日常というには予想外すぎるギャグ の数々…。
通な読者の話題をさらった「平成生まれ」が、新キャラを加えよりパワーアップして再登場。
4コマの次世代はハトポポコが担う!

ハトポポコさんの新刊。
“平成生まれ”同様に、シンプルに洗練された装丁(と帯)も健在。
これはもう期待するしかない。

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女子高生のシュールな日常

平成生まれの女子高生たちの日常を描いた四コマ漫画です。
前作”平成生まれ”と登場人物などは大きく変わらず、そこから新たなキャラクター追加されて、以前よりも読み応えがあります。

そして、ヤマなしオチなしの独特でシュールな空気感も相変わらず。
そのシュールさ故に、何が面白いのか上手く説明できないけれど、すごく面白い。

まんがタイムきらら系の漫画というと、メディアミック化される作品から連想してしまうというのもありますが、”萌え”がとても強いイメージがあります。
しかし、この漫画に”萌え”を期待して読むと期待を大きく裏切られてしまうことでしょう。
この漫画もキャラクターが魅力的なのは間違いないのですが、この気持ちは決して萌えではないです。
“女子高生×日常×四コマ”という、王道ともいえる方程式でなぜ”萌え”が生まれないのか。

それは、ひとえにハトポポコさんのエッヂの効きすぎたセンスによるものでしょう。
独特の空白や、端的な台詞、そして斜め上をいく発想。
一言で感想をいうなら“ヤバい”

四コマという限られたコマ数のなかで、セリフ無しのコマが多すぎる。
そして意味のないネタが多すぎる。
それでもしっかりと何かが伝わってくるこの感じ。すごい。

意味がわからないネタも多いため、好みはハッキリと分かれると思いますが、
個人的には超絶ツボです。本屋で平積みにしてポップまで付けたいくらいツボです。

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記号化されたゆとり世代

事実はどうであれ、”平成生まれ”という単語から”ゆとり”という言葉を連想される方は少なくはないでしょう。
同作者の”けんもほろろ”でも同様なのですが、ハトポポコさんの描く女子高生は”ゆとり”が端的に表れています。

後先考えずにいかにもテンションのみで喋っている様子や、何を考えているのか分からない感じは、いかにも現代の若者を彷彿とさせます。
登場人物たちの頭が悪い(勉強ができない)ということでは決してなく、自分たち独特の世界を持っている。
そして、何気ない日常に全力投球する様は、いかにも女子高生らしい。

“ゆとり”という言葉で一括りにしてしまうのは、非常に恐縮なのですが、
大人たちが抱いている”ゆとり像”というのはこういうものなのかなと思うほどに、記号化され、圧縮されたゆとり感がこの漫画に詰まっています。

そんなシュールでエッヂの効いたゆとり女子高生漫画。
萌えではない女子高生を読みたい方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

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デザイナーをしています。ジャンル関係なく気になった漫画を読んでいます。オススメの漫画を教えてください。 Twitter:@TakemitsuaN