ギフト± 1

シマウマの次は鯨だ!ナガテユカの『ギフト±』

昔から一定層に根強い人気のあるエロ・グロ・バイオレンスというジャンル。
少し前だと『闇金ウシジマくん』や、直近だと映画化が決定した『シマウマ』など、最近ではコアなファンだけではなく、より幅広い層に受け入れられるようになっていきている気がします。
そんな”人間社会の闇”を描いた作品。次に話題になるのは、このナガテユカさんの『ギフト±(プラスマイナス)』だと思います。

タイトルに記号が入っているため、インターネットで検索してもヒットし辛い本作ですが、ぜひ多くの人に読んでいただきたいです。

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臓器売買をテーマにした真面目な作品

1巻の表紙は”スタンガンを持った無表情な女子高生とサラリーマン風の足”。
この表紙とタイトルから『ギフト』という映画を連想してしまい、読み始めるまではホラー作品だと思い込んでいました。

しかし、実際に読み進めると抱いていたイメージは一変。
ホラーではなく、どちらかといえばグロやバイオレンスに属する作品。
そして臓器売買をテーマにした真面目な作品でした。

鈴原環は女子高生にして狩りのプロ。その標的は、人…!
更正を期待出来ない犯罪者と、その肉体を必要とする患者。
需要と供給が一致した時、少女の“仕事”が始まる!
鬼才・ナガテユカが渾身の筆致で問う命の価値とは!?
日本の地下社会で極秘裏に行われる“臓器売買”の闇に迫る衝撃作!!

上のあらすじを読めば予想がつくと思うのですが、本作品を一言で説明するなら”女子高生が犯罪者を解体して臓器移植のために利用する話”です。

先にも書いたように、グロ・バイオレンス要素が多く、読む人を選ぶことは間違いないです。
また、ナガテユカさんの絵が非常に上手いため、目を伏せてしまいたくなるような生々しい描写もたくさんあります。
(漫画版バトル・ロワイアルを思い浮かべると伝わりやすいかもしれません)

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鯨(クジラ)を解体する

鯨の体には無駄にする部分がないことから、この作品では、更正を期待出来ない犯罪者を鯨(クジラ)に見立てています。

世の中に不必要な人たちの体を解体し、必要な人たちのために余すことなく利用する……
日本が抱えている臓器移植の問題に対する過激なアンサーという側面も含んでいるのではないかと感じました。

もちろん、内容は非現実的ですし、犯罪者だから解体しても問題ないという姿勢には賛否両論あるとは思います。

しかし、鈴原環が解体を行う際に使われる「命をありがとう」という言葉。

本作を読み進めるうちに、人間を解体するという行為と、それに対する感謝の気持ちというギャップに引き込まれていくこと間違いなしです。

2016年6月現在で第四巻まで発売されている今作ですが、主人公・鈴原環をはじめ、その周りをとりまく登場人物についても依然として謎につつまれています。
上で書いた問題を考えると共に、物語自体の展開からも目が離せません。

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